
「エコンテ座談会『情報構成とは?』vol.1」で紹介した基本の考え方を、実際の案件でどのように活かしているのか。vol.2では、管野さんが手がけた情報構成の工夫やこだわりを、具体的な事例とともに詳しくご紹介いたします。
(本記事は、エコンテの広報担当である野口がお届けします。)
- 近藤さん(エコンテ取締役)
- 武蔵さん(プロジェクトマネージャー)
- 坂本さん(プロジェクトマネージャー)
- 管野さん(編集ディレクター)
- 倉本さん(編集ディレクター)
さまざまなニーズを想定するのが「情報構成」の手法
■管野さんが担当した情報構成
クライアント:個人・法人向けにWEBサービスを提供するプラットフォーム企業
依頼内容:主に展示会で配布する資料の制作
クライアントの要件:
- A4版8ページの紙のパンフレットにしたい
- 展示会の参加者に課題に気づいてもらい、 解決法として自社のサービスに興味を持ってほしい
- 様々な課題を解決できるサービスの認知向上を目指したい
近藤
確かこの案件は、管野さんが入社したばかりの頃の案件でしたね。
企画案を提出するにあたって、どんなことを考えましたか?
管野
展示会で配られるパンフレットということで、まずは「配布する社員の方々の利便性」と「展示会の参加者のニーズ」の両面を考慮して、何を重視すべきかを考えました。
実は私、展示会に行くのが好きで、会場を出る頃には各ブースでもらったパンフレットで鞄がいっぱいになることがあります。「こういうパンフレットがあったらいいのな」という自分なりの価値観のようなものがあったんです。
パンフレットですから、表現できるスペースは限られています。
その中に情報を詰め込み過ぎると、興味のある人には読んでもらえるかもしれないけど、そうでない人には単に文字だらけの読みにくいものになってしまう。一方、イラストなどビジュアルを使って企業ブランドやサービスを抽象的なイメージで伝えるパンフレットは、高級感や親密度などを一目で伝える力はあっても、「このサービスを使いたい」という訴求力が弱まってしまう。
その2つのベクトルの中間を突くものが作れないかと考えたのがスタートラインでした。

<写真>管野さん
言語化されていないクライアントの要望を表現するには?
管野
実質6ページという限られた掲載枠の中で複数の課題解決を紹介するのは、難易度が高いと感じました。そのため、まずその要望を実現できる構成を考えました。
そこで「表紙」と「裏表紙」という考えをリセットして、「オモテ表紙」と「ウラ表紙」と捉えたら、伝えたい情報を上手く伝えられるんじゃないかとひらめいたんです!
具体的には次のような台割が頭に浮かんできました。

管野さんが考えたパンフレットの台割
近藤
パンフレットをもらった人は、「オモテ表紙」と「ウラ表紙」のどちらかから読み進めていくわけですが、次の見開き2ページ(P2、P3あるいはP7、P6)でそれぞれの課題内容や解決法を読んで、次の両扉(P4、P5)でのどちらの課題も解決するサービスを紹介となる構造になっているんですね。これは秀逸なアイデアですね!
企画に込めた思いと手応え。自分の「伝えたい」を貫く
管野
「オモテ表紙」と「ウラ表紙」があるような突飛なパンフレットの提案をするのは、不安がありました。そこで、改めてクライアントの要望である「悩みや課題に気づいてもらう」という台割も作成しました。

クライアントの要望に沿ったパンフレットの台割
近藤
問題意識を訴求して、そこから様々な課題、課題を解決するサービス紹介につなげるという、オーソドックスな流れですね。教科書的な、及第点の台割案です。
管野
ありがとうございます。でも、私としては最初に浮かんだアイデアを通したいと思いました。
最終的には先程のクライアントの要望に沿った案、そのバリエーションの別案、そして最初に思いついた絶対やりたい案の3つを並べて提案しました。
近藤
管野さんのように、3つの企画案を提示するのは珍しいケースだと思います。
管野
「最初に思いついたパンフレットを作りたい」という自分なりの思いから、このような提案にしました。プレゼンをしてくれた社員から「最初の案が通ったよ」と言ってもらったときは、本当に嬉しかったです!
納品後にその成果が気になって、自分が作ったパンフレットを配布する展示会のブースを訪ねてみたんです。スタッフの方々が「オモテ表紙」「ウラ表紙」を使い分けながら課題を抱えている参加者に対応している様子を見て、この仕事に携われて本当によかったと感じました。

<写真左から>坂本さん、近藤さん、管野さん
今回のvol.2では、展示会用パンフレットの事例を通して、情報構成の考え方がよくわかりました。
- 「配る人」と「もらう人」、両方の視点を意識して情報を整理することで、パンフレットの価値を最大化できることがわかります。
- 限られたスペースで情報をどう見せるか、文字とビジュアルのバランスをどう取るか、といった工夫も情報構成のポイントです。
情報構成とは単なるレイアウトや整理術ではなく、誰にどのように伝えるかを考え抜くプロセスだということです。
次回のvol.3では、坂本さんと近藤さんの事例をご紹介します。複数の視点での情報構成の工夫を比べてみると、より理解が深まります。ぜひご覧ください!
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