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Column

エコンテが強みにしている『情報構成』をテーマに開催した社内座談会。vol.3では、坂本さんと近藤さんが手がけた情報構成の事例をもとに、2人の考え方を深掘りしていきます。
(本記事は、エコンテの広報担当である野口がお届けします。)

  • 近藤さん(エコンテ取締役)
  • 武蔵さん(プロジェクトマネージャー)
  • 坂本さん(プロジェクトマネージャー)
  • 管野さん(編集ディレクター)
  • 倉本さん(編集ディレクター)

失敗から学んだ「情報構成」の本質、大事なのはユーザー目線

坂本

私が紹介したいのは成功事例ではなくて失敗した事例なんですが、それでもいいですか?

近藤

成功事例ではなく失敗事例…。それはどのような案件でしょうか?

■坂本さんが担当した情報構成
クライアント:エンタメコンテンツを自社のモバイルサイトで提供する企業
依頼内容:サイト内のQ&Aページのリニューアル作業

クライアントの要件:

  1. 導線が複雑で使いづらいので、シンプルなものに整理したい
  2. ユーザーにわかりやすく情報が伝わるようにしたい
  3. 運営側のサポート業務を効率化したい

坂本

この案件は、Q&Aページの「機種変更・契約変更する際のデータ引継ぎ」や「支払い方法の変更」といった質問項目一つひとつに「docomoの場合はこちら」「auの場合はこちら」という機種別の異なる表示方法の案内を出す必要があり、とても大変でした。

当時は端末がスマートフォンだけでなく、まだガラケーが使われていたので、案内すべきフローが60種類以上にも及んで、非常に複雑なものになっていました。

近藤

確かサイトのシステム全体のリニューアルのタイミングに合わせて、Q&Aを見直したいと。

坂本

そうです。システムのリニューアルに合わせて、デバイス判別ロジックを加える方法や「Q&A」ページ自体のシステムを改修する方法などの選択肢もあったんです。

ただ、クライアントの要望は「システムには手を入れず、これまでのQ&Aページを整理する形で改善してほしい」というもので、当時は経験が浅かったこともあり、根本的な提案ができず、愚直にページ内の情報を一つひとつ、しらみつぶしに修正していく方法を選びました。
しかし、数週間かけて苦労して整理したものの、クライアントのご期待に応えるものにはなっていなかったようで、その修正案自体は採用いただけませんでした。

最終的に、クライアントが私の修正案を踏まえて、「ここまで複雑ならQ&Aを整理するだけのリニューアルではなく、Q&Aページもシステム改修も根本的に設計し直すべきだ」という決断をしてくださったので、その点は整理してよかったなと思いました。

近藤

なるほど、「最初から作り直したほうが効率がよい」ということを実証して見せたわけですね?

坂本

そうです。先程、倉本さんがおっしゃっていた「ユーザー目線」の大切さを痛感しました。運営側にとってコスト削減などの利益があっても、サイトを利用するユーザーにとって利益のあるリニューアルでなければ意味がないのではないかと。

<写真>坂本さん

提案したら仕事がなくなる?
エコンテが大事にしているポリシーとは?

近藤

実は、私も坂本さんと似た経験をしたことがあります。こんな事例でした。

■近藤さんが担当した情報構成
クライアント:大手クレジットカード会社のカスタマーサポートセンター
依頼内容:ユーザーにもっと「チャットボット」「Q&A」を活用してもらいたい

クライアントの要件:

HPからのお問い合わせは「Q&A」「チャットボット」「メール」「電話」の4つの選択肢を用意しているが、電話を選ばれるユーザーが減らない。電話対応はコストが高いこともあり改善したい。

近藤

クライアントとしては対応コストを減らしたいという想いもあり、まずユーザーに「チャットボット」と「Q&A」を活用してもらい、それでも解決しない場合は「メール」をご案内、それでも解決しない場合は「電話」を案内するといった階層的なページに改修する案を考えていたようです。でも「ユーザー目線」で考えてみると、あまりスマートな改修ではないなと感じました。

坂本

確かに、「自分の問い合わせに対して適切な回答がほしい」と思っているユーザーの気持ちを考えると、たらい回しをされているように感じる人が多いかもしれませんね。

近藤

そこで問い合わせの窓口を階層化するのではなく、全ての選択肢に利用シチュエーションの説明をわかりやすく加え、ユーザーに並列で提示し、好きな方法を選びやすくすることを提案しました。

問い合わせに適切なシチュエーションは、ユーザー毎に異なります。
「電話」でオペレータに対応してもらわなければ解決できない緊急で複雑な内容ばかりではなく、「チャットボット」や「Q&A」に目を通せば解決できそうな軽微な問い合わせもあるでしょう。今やりとりに時間をかけたくないユーザーには、「メール」対応のほうが喜ばれることもある。

だから、シチュエーションごとに選んでもらう方が、ユーザーの負担は軽減されるし、無駄に「電話」が増えることもないのではと考えたわけです。

ちなみにこの提案は、エコンテとして案件化する可能性をゼロにする提案でした。実は、現状のページ構成から大きく変える必要もなく、クライアント側で完結できます。

坂本

近藤さんの提案は、採用されたのですか?

近藤

はい、採用されました!
でも、エコンテの「ユーザー目線」を大事にするポリシーは、十分クライアントに伝わったと思います。

<写真>近藤さん

今回のvol.3では、二人の事例を通して、情報構成のポイントがよりはっきり見えてきました。

  • 坂本さんの事例では、ユーザー目線に立つことの大切さがよくわかります。運営側の効率だけでなく、まず受け取る人に価値を届けることが、情報構成の本質であるということ。
  • 近藤さんの事例では、案件が無くなることよりも、ユーザーにとって最適な形を提案するという、エコンテならではの姿勢が示されました。

この二つの事例から、情報構成はユーザーの理解を最優先に考えながら、どう情報を届けるかを判断し提案する力も大切であることがわかります。

次回のvol.4では、倉本さんと武蔵さんが手がけた事例をご紹介します。これまでの記事とあわせて読むことで、エコンテの情報構成の多様なアプローチが見えてきます。ぜひご覧ください!

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エコンテは、届けたい人に合わせたコンテンツの企画・制作から、集客やプロモーション、更に効果検証や改善の運用までを伴走して支援するコンテンツマーケティング会社です。
“世の中のいいコトを、わかりやすく伝える”を企業理念に、情報設計とクリエイティブを駆使して、メッセージを効果的に届けることを得意としています。

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