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Column

エコンテが強みにしている『情報構成』をテーマに開催した社内座談会。最後となるvol.4では、倉本さんと武蔵さんが担当した情報構成の事例をご紹介します。
(本記事は、エコンテの広報担当である野口がお届けします。)

  • 近藤さん(エコンテ取締役)
  • 武蔵さん(プロジェクトマネージャー)
  • 坂本さん(プロジェクトマネージャー)
  • 管野さん(編集ディレクター)
  • 倉本さん(編集ディレクター)

クライアントの利益だけでなく、ユーザーの利益も考える

<写真左から>倉本さん、坂本さん

■坂本さんが担当した情報構成
クライアント:中小企業や個人事業主向けに業務ソフトウェアを開発・販売するIT企業
依頼内容:HPで配布するホワイトペーパー制作

クライアントの要件:

  1. 起業を考えている人向けの「起業マニュアル」のホワイトペーパーを作りたい
  2. 20ページ前後にしたい
  3. できるだけ多くのユーザーの登録に繋げたい

近藤

倉本さんが「情報構成」をするにあたり、気をつけていることは何ですか?

倉本

私なりに心掛けているのは、構成案を作成する際の事前リサーチです。クライアントが提供してくださる資料が重要な材料になることはもちろんですが、ヒアリングにできる限り時間をかけて、クライアント自身も気づいていないような情報を把握できるようにしています。

近藤

それにはどんな意図があるんですか?

倉本

コンテンツの目的が「クライアントに喜ばれるものを作る」ということだけではなく、「受け取るユーザーにとって、ためになるものを作る」というのもあるからです。
「この資料を使って制作してほしい」と提供されるクライアントの資料には、「自社の美点をアピールしたい」という意図が働いて、「ユーザーの利益」という点に目が届いていないケースがこれまで何度かありました。

あと私の性分として、「理解が不十分なままで走り出すと、ちゃんとしたものを作れない」と思っている面もあると思います!

近藤

でも、リサーチに手間を掛ければ掛けるほど、集まる情報が膨大になって、かえってやりにくくなるということはありませんか?

倉本

そうですね。そのためには、情報を精査する目を持つことが大事だと思います。膨大な情報の中から「ユーザーにとってためになる情報」を見分けるコツというのかな。
そういう大事な情報は、絶対に構成に入れたい。でも入れられる情報には限りがありますから、言葉を減らしていかなければなりません。そのとき私が大事にしているのは、「言葉を減らしても、情報は減らさない」ということ。

近藤

それはどういうことですか?

倉本

見た人の目に入りやすいタイトルや見出しに大事な情報を入れて、本文が長くならないように工夫したり、イラストや図表を使いビジュアルで情報が伝わるようにしたりして、少ない言葉で多くの情報が伝わるようにしています。最初に提出する構成案の段階から、ページに入れる要素ごとの文字数がわかるようにし、提案することが多いです。

近藤

なるほど。1ページのなかに入れる情報が精査されているからこそ、「言葉を減らしても、情報は減らさない」ということを実現できるわけですね。

「1枚の絵」で伝えるインフォグラフィック制作の舞台裏

近藤

エコンテが得意としているものの一つに「インフォグラフィック」という手法がありますよね。伝えたいことが「1枚の絵でわかる」のがインフォグラフィックの魅力ですが、制作に携わっているメンバーは、具体的にどのようにして「わかりやすさ」を意識しているのでしょうか?
武蔵さんが担当した実例から説明してもらうことにしましょう。

■武蔵さんが担当した情報構成
クライアント:ある官公庁
依頼内容:「気候変動」のリスクの周知をうながすためのインフォグラフィックの制作

クライアントの要件:

  1. A4サイズ1枚に「気候変動」に関する5つの情報を入れたい
  2. 文字や数字ばかりの印象を与えず、1枚の絵で伝わるようにしたい

近藤

「気候変動」に関する5つの情報というのは、どんな内容だったんですか?

武蔵

次の5つになります。

  • 猛暑日の年間日数についてのデータ(30年前と現在との数値比較)
  • 猛暑の熱中症による死亡者についてのデータ(折れ線グラフ)
  • 大雨の年間発生日数についてのデータ(折れ線グラフ)
  • 世界の平均海面水位上昇についてのデータ(折れ線グラフ)
  • 気候変動についての身近に感じる変化の声(複数コメント)

クライアントから提出された仕様書には、各データの詳細な資料がついていて、パッと見ただけで「1枚の絵には、とても入りきれないな」とわかるほどの分量の情報がありました。

近藤

その量から、どのように構成を進めたんですか?

武蔵

「先方が提出した資料をそのまま活かす」のではなく、「資料には書かれていない情報を見つけていく」作業は倉本さんと同じですが、最初から「情報をどのように削れるか」を考えながら構成案の作成を進めました。このとき「情報を最小限に絞った中で、どうしたら“わかりやすく”伝わるか」というのがポイントです。

クライアントが何を伝えたいと思っているのかを理解しなければ何も始まらないため、タイトルやリード、グラフの見せ方をできるだけ早い段階で提示して、先方が漠然と感じているイメージを具体的な形に落とし込んでいく作業が必要でした。提案書の段階から簡単なラフを作り、5つの情報それぞれの見せ方を確認してもらうという作業です。作業期間が2週間くらいしかなかったこともあり、発注いただいたその日に早速確認作業を進めました。

近藤

依頼された段階で「こういう情報を入れてほしい」という具体的な資料が揃っていても、制作物がビジュアル的なものであればあるほど、出来上がったときに「イメージと違う」と言われて振り出しに戻されてしまうケースは多いですよね。
そうならないために、武蔵さんはどのようなことを心掛けましたか?

武蔵

制作が始まると、クライアントは「あれも入れたい、これも入れたい」となり、本来の「何を伝えるべきか」という目的と異なる発言が多くなることがよくあります。そのため、構成案を作る段階で、できるだけ丁寧に細かい確認作業を行うことを心掛けています。
デザイン作業で困るのは、構成案で未処理の問題が残されているにも関わらず、「あとはデザインで何とかしてください」という言葉で濁されてしまうことなんです。「わかりやすさ」というのは、デザインだけでは解決できないので。

この案件でもそういう不安があったので、作業時間は限られていましたが、構成案の確認作業は短期間でしっかり行い、デザインの案出しを3案から2案に減らしてもらうなど交渉し、全体の作業時間の短縮をはかりました。

近藤

短い製作期間における進行の工夫も素晴らしいですね。

<写真左から>武蔵さん(リモートで出席)、倉本さん、坂本さん

今回のvol.4では、倉本さんと武蔵さんの事例を通して、情報構成の工夫がより具体的に見えてきました。

  • 倉本さんの事例では、膨大な情報の中から本当に必要なものを見極め、「言葉を減らしても情報は減らさない」工夫が紹介されました。
  • 武蔵さんの事例では、インフォグラフィックを使って複雑な情報を1枚でわかりやすく伝える工夫が見られます。短い制作期間でも、クライアントと丁寧に確認を重ねることで、伝えたい情報をきちんと届けることができました。

この二つの事例から、情報構成は情報を精査し、伝える相手にとってわかりやすい形で届ける工夫が重要であることがよくわかります。

座談会全体の背景や情報構成の考え方はvol.1から読むと、より理解が深まります。
ぜひご覧ください!

編集後記(広報 野口)

今回、初めて社内座談会を開催しました。最初は少し緊張もありましたが、みんなが楽しそうに話してくれて、とてもいい時間になったと思います!エコンテではリモートワークが中心のため、日常業務ではなかなか聞くことのできない社員の想いや考えに触れることができたのは、大きな収穫でした。
改めて顔を合わせて話すことで、お互いの価値観や仕事への向き合い方に新たな発見があり、私自身も多くの刺激を受けました!
今後もこうした機会を大切にしながら、社内のつながりをより深めていければと思います。

<写真左から>野口(広報・本ブログ担当)、倉本さん、坂本さん、近藤さん、管野さん

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エコンテは、届けたい人に合わせたコンテンツの企画・制作から、集客やプロモーション、更に効果検証や改善の運用までを伴走して支援するコンテンツマーケティング会社です。
“世の中のいいコトを、わかりやすく伝える”を企業理念に、情報設計とクリエイティブを駆使して、メッセージを効果的に届けることを得意としています。

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