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自社のサービスを軸に、読者にとってメリットのある情報などを提供するホワイトペーパーは、主に見込み顧客の獲得施策として活用されています。

ホワイトペーパーにはさまざまな種類があり、自社製品やサービスを誰に、どのようなかたちで紹介するかによって、ホワイトペーパーのページ構成のテンプレートが異なります。適切なテンプレートを使うことで、効果的なホワイトペーパー施策が講じられるでしょう。

そこで本記事では、ホワイトペーパーを150冊以上制作してきたプロの視点で、自社製品やサービスを的確に届けたい人に向けて、ホワイトペーパーの8つの種類別に、ホワイトペーパーのページ構成のテンプレートや制作のポイントを詳しく紹介していきます。

成果につながるホワイトペーパーとは?制作のポイントやメリットをわかりやすく解説

ホワイトペーパーの種類別 ページ構成テンプレート

ホワイトペーパーの基本となる構成は以下の通りです。

  • 表紙
  • はじめに(または「資料の目的」)
  • 目次
  • 本題
  • 製品・サービスの紹介
  • 問い合わせ先・会社概要

ホワイトペーパーの種類によっては、記載内容の順番が前後したり、一部構成が含まれなかったりすることがあります。ホワイトペーパーに載せたい情報を精査し、適切なテンプレートを選びましょう。

ここからは、よく活用される8種類のテンプレートの基本的な構成を紹介します。

1.課題解決型

最も一般的なのが「課題解決型」のホワイトペーパーです。自社製品やサービスによって課題を解決できることを提示します。読者がどのような課題を抱えているのかを想定し、そこに共感したうえで、さまざまな解決策を紹介していきます。

項目 具体的な内容
表紙
はじめに(資料の目的) ・見込み顧客の悩みに寄り添い共感し、悩みを解決する糸口を見つけてもらう
目次 ・ホワイトペーパーの流れ・全容を把握しやすくする
・必要な部分だけ読んでもらうことも可能
本題
・問題提起
・悩みの原因
・解決のポイント
・解決までの流れ
・解決に有効な一般ソリューション
・具体的な事例を用いて解説する
・見込み顧客がどのような悩みを抱えているのかを明確にし、自社製品やサービスがどのような課題解決に貢献できるのかを事例事に提示する
・製品サービス周辺のトピックも含み、解決策に幅広い選択肢を持たせ、ホワイトペーパーの有用性を押し出す
製品・サービスの紹介 ・自社製品・サービスの紹介
・行動喚起やCTAボタンなどの設置
問い合わせ先・会社概要

例えば、自社で営業支援システムを扱っている場合、見込み顧客として想定されるのは「営業担当者の負担を減らしたい人」や「業務効率の改善を図りたい人」などです。こうした人々の課題解決を促すための方法を念頭に置きながら、構成要素を考えましょう。

また、課題解決型のホワイトペーパーは自社製品の紹介ページが少ないものの、製品の特徴や専門性の高さを伝える資料として優れています。

2.ノウハウ・基礎知識型

「ノウハウ・基礎知識型」は、読者がまだ知らない新しい知識を提供するタイプのホワイトペーパーです。「エデュケーショナル型」と呼ばれることもあります。

「課題解決型」のホワイトペーパーのように、見込み顧客の課題解決に対する内容に言及するのではなく、自社の専門知識や調査結果などの情報提供がメインになります。

項目具体的な内容
表紙
はじめに(資料の目的) ・見込み顧客の悩みに寄り添い共感し、悩みを解決する糸口を見つけてもらう
目次・ホワイトペーパーの流れ・全容を把握しやすくする
・必要な部分だけ読んでもらうことも可能
本題
・テーマの基本説明
・仕組みや特徴
・比較表を用いた類似テーマとの違い
・背景や歴史
・メリットとデメリット
・活用例や成果
・特定のテーマについて、自社で集めた情報や研究結果をもとに解説する
・テーマに関するメリットやデメリット、情報がどのように活かされるのかを具体的に提示する
製品・サービスの紹介 ・自社製品・サービスの紹介
・行動喚起やCTAボタンなどの設置
問い合わせ先・会社概要

ノウハウ・基礎知識型のホワイトペーパーには、これまで製品やサービスを提供してきたなかで培ったノウハウをまとめます。これにより、対象領域に関する自社の強みや優位性を見込み顧客に伝え、信頼を得られるなどのメリットがあります。

3.事例紹介型

「事例紹介型」は、実際に自社製品・サービスを使っている人の声を盛り込んだホワイトペーパーです。顧客からのコメントやインタビュー記事で構成され、自社製品やサービスに誘導しやすいというメリットがあります。

項目具体的な内容
表紙
はじめに(資料の目的) ・見込み顧客の悩みに寄り添い共感し、悩みを解決する糸口を見つけてもらう
目次・ホワイトペーパーの流れ・全容を把握しやすくする
・必要な部分だけ読んでもらうことも可能
本題
・導入事例(数社分)
・サービスを導入いただいている企業のインタビューや導入成果を紹介する
・業種別や会社の規模別に、読者である見込み客をイメージして選定する
・導入前の課題、サービスの選定理由、導入後の成果をわかりやすくまとめる
製品・サービスの紹介 ・自社製品・サービスの紹介
・行動喚起やCTAボタンなどの設置
問い合わせ先・会社概要

製品・サービス導入により、どのように課題を解決したのかが伝えられるため、悩みを抱える見込み顧客が改善イメージを持てるようになるのが特徴です。

4.調査レポート型

「調査レポート型」のホワイトペーパーは、業界動向や統計、独自調査をまとめたものです。自社製品やサービスと関連する市場の調査・動向をまとめ、最新の情報を収集したい見込み顧客に対して情報を提供します。

項目具体的な内容
表紙
はじめに(資料の目的) ・見込み顧客の悩みに寄り添い共感し、悩みを解決する糸口を見つけてもらう
目次・ホワイトペーパーの流れ・全容を把握しやすくする
・必要な部分だけ読んでもらうことも可能
本題
・調査目的と背景
・調査概要
・調査結果サマリー
・調査結果の詳細
・考察とまとめ
・調査を行った理由や背景、調査結果の要点、詳細、考察などをまとめて解説する
・調査内容を全て掲載する必要はなく、読者の役に立つ重要な項目や、関心が高そうな際立った結果をピックアップして紹介すると良い
・調査結果の信ぴょう性を高めるため、調査の概要も忘れずに掲載する
問い合わせ先・会社概要

調査結果は、グラフや図などを交えて視覚的に説明すると、説得力が高まりターゲットに訴求しやすくなります。

5.セミナー・イベントレポート型

「セミナー・イベントレポート型」は、セミナーや展示会などのオフライン・オンラインイベントの内容をまとめたホワイトペーパーです。イベントの魅力を伝え、自社製品やサービスの活用法だけでなく、次回以降イベントへの参加も促せます。

項目具体的な内容
表紙
はじめに(資料の目的) ・見込み顧客の悩みに寄り添い共感し、悩みを解決する糸口を見つけてもらう
目次・ホワイトペーパーの流れ・全容を把握しやすくする
・必要な部分だけ読んでもらうことも可能
本題
セミナー概要
登壇者プロフィール
セミナーの要約情報
セミナーのスライド
感想やまとめ
・セミナー・イベントの概要や登壇者のプロフィールを紹介する
・登壇者がセミナーで話した内容をわかりやすくまとめる
・登壇者が複数いる場合は、どちらが話しているか伝わるような名前や写真も活用する
・講演動画やセミナーで使った投影資料や参加者から寄せられた感想、アンケート結果などを盛り込む
製品・サービスの紹介 ・自社製品・サービスの紹介
・行動喚起やCTAボタンなどの設置
問い合わせ先・会社概要

開催したセミナーやイベントの情報をそのままコンテンツ化することで、ホワイトペーパーの制作コストを抑えられる点も大きなメリットです。

6.チェックリスト型

「チェックリスト型」のホワイトペーパーは、見込み顧客が抱えている課題や現状に対して、自己診断を行うような内容になっています。日々の業務を振り返り、簡単に問題点をあぶり出すことができます。

項目具体的な内容
表紙
はじめに(資料の目的) ・見込み顧客の悩みに寄り添い共感し、悩みを解決する糸口を見つけてもらう
目次・ホワイトペーパーの流れ・全容を把握しやすくする
・必要な部分だけ読んでもらうことも可能
本題
・チェックリスト・診断結果
・業界でよくある課題や問題点をもとに、チェックリストや質問を作成する
・実際にチェックして使用できるように、チェック欄を用意する
・診断結果で浮き彫りになった課題を解決するために何ができるか、具体的なアドバイスや対処法を解説する
製品・サービスの紹介 ・自社製品・サービスの紹介
・行動喚起やCTAボタンなどの設置
問い合わせ先・会社概要

チェックリストや診断結果によって、見込み顧客は現在の課題を詳細に把握できます。そして、その課題を解決するための具体的なアドバイスを掲載することによって、自社製品やサービスへの誘導も可能です。

また、すでにアタック中の見込み顧客に対し、サービス導入時の検討資料として活用できます。

「チェックリスト型」の例として、エコンテでは以下のようなホワイトペーパー制作のポイントをまとめたチェックリストを提供しています。

7.製品・サービス比較型

「製品・サービス比較型」のホワイトペーパーは、すでに製品やサービスの導入を本格的に検討している見込み顧客に対して有効です。自社製品だけでなく競合他社の製品の特徴を記載し、比較します。

各サービスを公平に比較・紹介することによって、見込み顧客からの信頼度も高まる可能性があります。

項目具体的な内容
表紙
はじめに(資料の目的)・見込み顧客の悩みに寄り添い共感し、悩みを解決する糸口を見つけてもらう
目次・ホワイトペーパーの流れ・全容を把握しやすくする
・必要な部分だけ読んでもらうことも可能
本題
・製品・サービスの基本説明
・製品・サービスの比較表
・各製品・サービスの内容
・各サービスの特徴・メリットやデメリット・費用などを解説する
・比較表を用いて各サービスの優位性などをわかりやすく記載する
製品・サービスの紹介 ・自社製品・サービスの紹介
・行動喚起やCTAボタンなどの設置
問い合わせ先・会社概要

一方、他社の製品やサービスの特徴などを記載する際、他社を不当におとしめるような書き方をすると、見込み顧客からの信頼を損なう可能性があります。記載時の表現には注意が必要です。

8.製品・サービス紹介型

自社製品やサービスについて詳しく説明するのが「サービス紹介型」のホワイトペーパーです。機能や費用はもちろん、実際に導入している企業などの実績など、あらゆる情報を掲載するカタログに近いかたちです。

項目具体的な内容
表紙
はじめに(資料の目的) ・見込み顧客の悩みに寄り添い共感し、悩みを解決する糸口を見つけてもらう
目次・ホワイトペーパーの流れ・全容を把握しやすくする
・必要な部分だけ読んでもらうことも可能
本題
・製品・サービスの基本説明
・導入企業一覧
・製品・サービスの特徴や強み
・機能・スペック紹介
・費用
・導入フロー
・ケーススタディ
・導入事例・導入インタビュー
・自社製品・サービスに関する情報をまとめる
・「サービスの基本情報→サービス強み→サービスの費用や申込方法→サービス利用者の声や成果」のように、検討する側の心理を意識した流れにする
・導入企業があれば事例や導入インタビューも盛り込み、導入後に課題がどのように解決したのかを紹介する
製品・サービスの紹介 ・自社製品・サービスの紹介
・行動喚起やCTAボタンなどの設置
問い合わせ先・会社概要

製品・サービス比較型のホワイトペーパーと同様、比較・検討が進んでいる見込み顧客の判断材料としても有効です。見込み顧客の意思決定を促せるよう、細かな情報やメリットなどを具体的に盛り込むとよいでしょう。

テンプレートを使ったホワイトペーパー制作のポイント

適切なテンプレートを選び、各構成に沿って内容を作成していけば、必要な内容が盛り込まれたホワイトペーパーが出来上がります。

しかし、そのホワイトペーパーによって求める成果が得られるかどうかは、話が別です。ホワイトペーパーは自社製品・サービスを導入してもらうきっかけにすぎないからです。

では「読まれて終わり」ではなく、成果につなげるホワイトペーパーを作るためにはどうすればよいでしょうか。ホワイトペーパー制作を成功させるための3つのチェックポイントを紹介します。

選んだホワイトペーパーの種類は適切か?

まず、ホワイトペーパーを読んでもらう目的やターゲットを明確にしてから、適切な種類を選びましょう。“届ける先”を明らかにしたほうが、自社製品・サービスのメリットや魅力をより的確に届けやすくなるからです。

その際、どのような人に読んでもらうのかを検討するためのペルソナを作成するのもおすすめです。例えばBtoB向け製品・サービスの場合、「業界・業種」「企業規模」「現在の課題」などを考えて設定します。年齢や職業などの属性で分ける「デモグラフィック」や、性格や価値観、購買動機などで分ける「サイコグラフィック」などを作成してもよいでしょう。

加えて、そのホワイトペーパーを制作する自社側の目的も明確にします。主な目的としては「見込み顧客の開拓」「潜在顧客の育成(ナーチャリング)」「顧客満足度の向上」「営業の効率化」「企業イメージの向上、ブランディング」などが挙げられます。そのうえで、自社の製品・サービスのメリット・魅力を伝えましょう。このとき、もととなる資料や素材があるとスムーズに制作が進みやすくなります。

デザインやトーンは適切か?

ホワイトペーパーを制作する際は、その内容だけでなくデザインやトーン選びも慎重に行いましょう。

いかに魅力的な製品・サービスに関する内容でも「内容がわかりづらい」「資料が見にくい」と思われては本末転倒です。企業や製品のイメージに合ったデザインやトーンを選択し、読みやすく効果的なデザインに仕上げましょう。

グラフや図版、イラストなどが効果的に使用されているか?

文章やデータだけでなく、グラフ・図版・イラストなどを盛り込んで視認性を高められているかどうかも重要です。

ホワイトペーパーには、訴求ポイントをわかりやすく簡潔に提示することが求められます。サービスの仕組みを図解にしたり、導入手順をフローチャートにしたりして、読者が理解しやすいホワイトペーパー作りを心がけましょう。

ホワイトペーパーの作り方とは? 実際の制作手順を専門会社が具体的に解説

ホワイトペーパーのテンプレートが利用できるツール紹介

現在は、さまざまな企業やサービスからホワイトペーパーの専用テンプレートが提供されています。そのなかから4つのツールを紹介します。無料で利用できるテンプレートもありますので、制作する目的や内容に合わせて使用ツールを選ぶとよいでしょう。

PowerPoint

ホワイトペーパー作りの定番と言えるのが「PowerPoint」です。Microsoft 365などをインストールしていれば無料で利用できるだけでなく、多種多様なデザインテンプレートから、目的や内容に合ったものを活用できます。専門知識がない人でも使いやすいでしょう。

Word

日常的にドキュメント制作で利用している人も多い「Word」には、実はホワイトペーパーのテンプレートが搭載されています。シンプルなデザインが多いので、文字装飾やイラストなどを追加し、読みやすく仕上げるのがおすすめです。

Canva

「Canva」は幅広い素材を扱うデザインツールです。無料プランでも基本的な機能をほとんど利用でき、操作も直感的で簡単なので、デザインソフト初心者に向いています。さまざまなテンプレート・素材があり、オリジナリティの高いホワイトペーパーに仕上げることができます。

Adobe Express

「Adobe Express」は、Adobe社のAdobe Creative Cloudの一部を無料で使用できるツールです。デザイン性の高いテンプレートが多数ある点が魅力です。テンプレートを選び、そこに挿入する素材を変えていくだけで、見栄えの良いホワイトペーパーを制作できます。

テンプレート作成やホワイトペーパーのタイプの選択に困ったらエコンテにご相談ください

金融、SaaS系、製造業など主にBtoB領域でのマーケティング課題の整理から適切な導線、企画の提案、効果測定まで一気通貫でコンテンツ制作を行っています。

ホワイトペーパー制作においては、業界・競合調査や市況などをふまえた情報構成、フラットな視点を忘れず、届けたいターゲットに的確に情報が届くような表現とデザインのご提案をいたします。

「作りたいテーマはあるが、見せ方がわからない」「既存の資料をリニューアルして成果につなげたい」などホワイトペーパーに関するお悩みはぜひお気軽にご相談ください。

Rumi Musashi
インハウスマーケティング、広報などの職種を経験した後、2014年エコンテ設立時から在籍。プロジェクトマネージャーとして、WEB・LP、ホワイトペーパー、インフォグラフィック、リサーチコンテンツなどの制作に幅広く携わり、編集やWebディレクションなどの専門性の高いメンバーたちと日々「わかりやすさ」を追求しながらコンテンツ制作を推進しています。

Author

Rumi Musashi
インハウスマーケティング、広報などの職種を経験した後、2014年エコンテ設立時から在籍。プロジェクトマネージャーとして、W...

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