自社サービスの魅力を伝えられるホワイトペーパー。そのホワイトペーパーで成果を上げるためには、読み手側が読み進めやすく、理解しやすい構成にすることが重要です。
そこで本記事では、ホワイトペーパーを150冊以上制作してきたプロの視点で、ホワイトペーパーを制作する前に知っておきたい「ホワイトペーパーの構成の作り方」について詳しく解説します。ホワイトペーパー制作時に活用できる構成例も紹介しますので、ぜひお役立てください。
成果につながるホワイトペーパーとは?制作のポイントやメリットをわかりやすく解説
ホワイトペーパー制作の流れ
ホワイトペーパーを制作する際は、はじめから文章やデザインを作成するのではなく、どのような情報や要素を入れ込み、何を伝えるのかといった全体像や構成から考え始める必要があります。全体の流れをイメージして、ホワイトペーパーの目的や使い方を整理してから制作に入りましょう。
ここでは、ホワイトペーパーをどのように作るのか、制作の流れを解説します。
ホワイトペーパーの作り方とは? 実際の制作手順を専門会社が具体的に解説
目的やターゲットの整理
まずは、ホワイトペーパーを作る目的を明確にし、資料を届けたいターゲット像についても整理していきます。そこで用いるとよいのが「5W1H」です。この6つの観点でさまざまな情報を整理し、まとめていきましょう。
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Who(誰が)
- What(何を)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
ここで、「なぜ(目的)、誰に(ターゲット)、何を(内容)、どのように(届け方)、伝えるのか」などの要素を明確にしておくと、このあとのホワイトペーパーの企画設計や構成作成がスムーズです。
企画(テーマの設定)
ホワイトペーパーを制作する目的やターゲット像が明らかになったら、次は読み手となるターゲットが欲している情報を念頭に置きながら、企画を立てます。
成果につながるホワイトペーパーを作るためには、ターゲットが興味を持ち、ダウンロードしたいと思えるような企画にすることがとても重要です。
多くの場合、読み手となるターゲットを「見込み顧客」や「休眠顧客」などとすることが多いでしょう。ターゲットがどのような悩みを抱え、何を解決したいと思っているのか、その悩みに対して自社がどのような解決策を提示できるのかを考えて、企画を作っていきます。競合他社のホワイトペーパーを参考にするのも有効です。
構成の作成
企画ができたら、ホワイトペーパーの構成を作成します。「構成」とは、複数の情報を組み立てることを指し、ホワイトペーパーにおいては全体の骨子や各スライドで発信する情報の設計図のことです。
ホワイトペーパーの構成にはいくつかのテンプレートがあります。企画を適したテンプレートに落とし込んでいくことで、効率的に構成を作ることができます。
ホワイトペーパー制作で使える構成案は、記事の後半で紹介します
原稿・デザインの制作
ホワイトペーパーの構成が決まったら、原稿やデザインの制作に移ります。原稿は初めて読む人でもわかりやすく、誤解せずに読めるような文章が理想的です。
また、必要に応じて画像やイラスト、図表などを用いたり、紙面のレイアウトを工夫したりして、ホワイトペーパーを通して伝えたいことがターゲットに届くように制作しましょう。
ホワイトペーパーの構成作成時のポイント
ホワイトペーパーの構成作成時に注意したいポイントは、以下の4つです。これらの要点を押さえておけば、初めてのホワイトペーパー制作を成功に導きやすくなります。
ストーリーとなる骨子を作成する
ホワイトペーパーを制作する際には、その全体を流れる「ストーリー」となる骨子を作成するとよいでしょう。なるべくロジカルなストーリーにすることで、内容が断片的になったり、話の流れに矛盾が生じたりすることを防ぎ、読み手の共感を得やすくなります。
例えば、見込み顧客が抱えている悩みを解決する「課題解決型」のホワイトペーパーなら、次のようなストーリーになります。
読み手に「サービス導入によって課題が解決できそう」というイメージを持ってもらえるほど、サービス導入を前向きに検討してもらえる可能性が高まります。
情報は詰め込みすぎない
人が1枚のスライドから認識できる文字数や情報量には、限りがあると言われています。そのため、自社サービスの魅力を伝えようとして、情報をあれこれ詰め込むのは避けましょう。
その代わり、必要な情報のみを盛り込むことに注力して、伝えたいことの要点をまとめます。ただし情報を削りすぎると、サービスの良さやメリットが伝わらなくなる恐れもあるため、情報をいかに取捨選択するのかが大切です。
わかりやすいレイアウトにする
ホワイトペーパーには本文だけでなく、画像やイラスト、図表などを用いてレイアウトします。ストーリー性を持たせるために章番号やタイトルを設け、読みやすさを考えながら、本文や各種素材をバランス良く配置しましょう。
視覚化できる表現を活用する
本文の中には、文字だけではイメージしにくい情報が含まれていることもよくあります。そんなときには、イラストや図表などを使って視覚化し、読み手側がより情報を理解しやすいようにしましょう。
視覚化の手段としてはイラストや図表が一般的ですが、最近では、情報をスムーズに伝えられる「インフォグラフィック」、言葉がなくても一目で理解できる「ピクトグラム」なども活用されています。
ホワイトペーパー内の情報をしっかりと伝えるため、その表現方法にも工夫をこらしましょう。
ホワイトペーパーの構成例
ホワイトペーパーの構成はその種類によって異なりますが、基本的には以下の通りです。
項目 | 具体的な内容 |
表紙 | - |
はじめに(資料の目的) | ・見込み顧客の悩みに寄り添い共感し、悩みを解決する糸口を見つけてもらう |
目次 | ・ホワイトペーパーの流れ・全容を把握しやすくする ・必要な部分だけ読んでもらうことも可能 |
本題 | ・具体的な事例を用いて解説したり、情報・研究結果を提示したりする ・ホワイトペーパーの種類によって異なる |
製品・サービスの紹介 | ・自社製品・サービスの紹介 ・行動喚起やCTAボタンなどの設置 |
問い合わせ先・会社概要 | - |
ここでは、本題部分の構成をホワイトペーパーの種類別に紹介します。
1.課題解決型
「課題解決型」のホワイトペーパーは、自社サービス・製品によって課題を解決できることを提示する内容です。
課題解決型の本題は、以下のような流れになります。
- 問題提起
- 悩みの原因
- 解決のポイント
- 解決までの流れ
- 解決に有効な一般ソリューション
制作時のポイントは、できるだけ具体的な事例を用いて解説することです。イメージがわきやすく、見込み顧客に共感してもらいやすくなります。見込み顧客が抱えていると思われる課題をピックアップし、課題解決の方法を自社サービス・製品とともに紹介してみましょう。
2.ノウハウ・基礎知識型
「ノウハウ・基礎知識型」のホワイトペーパーは、自社で培ってきたノウハウや知識などを提供するタイプです。「エデュケーショナル型」と呼ばれる場合もあります。
ノウハウ・知識型の本題部分は、以下のような流れになります。
- テーマの基本説明
- 仕組みや特徴
- 比較表を用いた類似テーマとの違い
- 背景や歴史
- メリットとデメリット
- 活用例や成果
ノウハウ・基礎知識型のホワイトペーパーでは、上記のような流れをもとに自社でこれまで培ってきたノウハウや集めた情報、研究結果などを解説します。設定したテーマに紐付くメリットやデメリット、提示した情報の活かし方なども紹介すると、より見込み顧客を惹きつけられるでしょう。
3.事例紹介型
「事例紹介型」のホワイトペーパーは、自社サービス・製品を実際に使っている人や企業の事例を紹介するものです。顧客に行ったインタビューの内容や、サービスを通じて顧客が得られた成果などをホワイトペーパーに盛り込みます。
事例紹介型の本題には、数社分の導入事例を掲載します。どのような課題を抱えていたのか、なぜこのサービス・製品を選んだのか、サービス・製品の導入後に課題がどのように解決されたのか、今後の展望などを入れましょう。
4.セミナー・イベントレポート型
「セミナー・イベントレポート型」のホワイトペーパーは、展示会やセミナーなどの対面・オンラインイベントの内容をまとめたものです。セミナーやパネルディスカッションで話された内容を、使用されたセミナー資料や登壇者の写真と共に盛り込むことで、参加できなかった見込み顧客のリード獲得が期待できるうえ、次回以降のイベント参加の意欲を高めます。
セミナー・イベントレポート型の本題部分は、以下のような流れになります。
- セミナー概要
- 登壇者プロフィール
- セミナーの要約情報
- セミナーのスライド
- 感想やまとめ
セミナーやイベントで使用した資料をそのままホワイトペーパーに盛り込めるため、制作コストを抑えられるメリットもあります。
5.チェックリスト型の構成例
「チェックリスト型」のホワイトペーパーでは、見込み顧客が現在抱えている課題を表面化させ、現状の自己診断を行えるような内容になっています。
本題部分にはチェックリストや診断結果などを掲載します。
考えられる課題をもとにチェックリストや質問票を作成し、読み手に答えてもらうことで、課題解決に向けて何ができるかを明らかにしていきましょう。加えて、アドバイスや対処法についても掲載し、サービス・製品への導線とすることも可能です。
ホワイトペーパーの構成作成で困ったらエコンテにご相談ください
株式会社エコンテでは、過去150冊以上のホワイトペーパーの制作ノウハウをもとに、ホワイトペーパーの企画から構成、原稿やデザイン、活用方法の提案まで、一気通貫で支援を行っております。
「もっとたくさんホワイトペーパーを制作したいのに人手が足りない」「ノウハウがないため効果的なホワイトペーパーを作れる自信がない」など、ホワイトペーパーに関するお悩みはぜひご相談ください。