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 ホワイトペーパーを作る際、どこから手をつければよいのか迷ってしまうことも多いでしょう。
本記事では制作担当になった方、制作を依頼することになった方に向けて150冊以上のホワイトペーパー制作実績を持つエコンテのホワイトペーパー編集ディレクターが、実際の制作過程でのコツやポイントを解説します。
作り方のポイントを知って成果に直結するホワイトペーパー制作にお役立てください。

成果につながるホワイトペーパーとは?制作のポイントやメリットをわかりやすく解説

ホワイトペーパーとは

ホワイトペーパー(white paper)は、最近では主にBtoB領域で、マーケティング施策の1つとして用いられる資料のことを指すことが多くなっています。
企業のウェブサイトやランディングページから個人情報等を入力することで無料ダウンロードできる「お役立ち資料」などの総称と覚えておけばよいでしょう。
自社がアピールしたい情報をまとめる営業資料(サービス資料)と異なり、リードと呼ばれる見込み客になりうる読者にとって有益な情報をまとめているのが特徴です。

ホワイトペーパーを作成する1番の目的は、自社の製品やサービスのリード獲得(見込み客の会社名、名前、メールアドレスなどの情報)です。ダウンロードされた資料の内容によって顧客のニーズや関心、課題を把握できるため、営業活動の精度も上がり、商談につながる可能性も増します。
またホワイトペーパーはSNSやメルマガでの発信コンテンツとして、顧客とのコミュニケーションにも活用できるうえ、セミナーや展示会資料、営業ツールとしても活用が可能で、自社の専門性、信頼を高めることにもつながります。

ホワイトペーパーの種類と選び方

ホワイトペーパーにはさまざまな種類があり、ターゲット層やテーマによって制作するものは異なります。

  • 課題解決、ノウハウなどのお役立ち情報
  • サービスや製品の導入事例集
  • 自社商品の基本紹介と導入までの入門ガイド
  • 調査レポート
  • セミナーなどのイベントレポート

「自社の目的」と「見込み顧客が求めている情報は何か」「どのように活用するか」を検討し、目的に合ったものを選択するとよいでしょう。

たとえば

・見込み客が抱えている課題に対して、業界の動向などをふまえた解決方法、ノウハウなどを提示、そこに自社の商品やサービス活用を絡める
・自社商品やサービスの目玉となる機能や導入までをコンパクトにまとめる

これらは「すでに自社が持っている情報」だけで制作できるため着手しやすいタイプです。
すでにいろいろなコンテンツがあるという場合は、見込み客の関心が高いものから制作していくとよいでしょう。

ホワイトペーパーの作り方、制作手順

ホワイトペーパーの目的は作ることではなく、見込み客になる人=リードの獲得です。ダウンロードしてもらった後に、具体的な検討資料として社内会議にかけてもらったり、問い合わせフォームから相談してもらったりなどのアクションにつなげるためです。
ここからは、質の高いリード獲得のためにダウンロードしたくなるホワイトペーパーの作り方とそのポイントを解説します。

1.制作の目的、ターゲットを明確にする

まずは「何のための、誰に向けてのホワイトペーパーなのか」という目的を明確にしましょう。
ターゲット設定すると、ユーザー視点で考えることができるため、ターゲットの興味・関心に合った訴求内容が導き出すことが可能です。ホワイトペーパーを読んだあとに、どのようなアクションを起こしてほしいのかというゴールもイメージしておきます。
「なぜホワイトペーパーを作るのか」その目的が明確になっていれば、制作途中で「この情報もあの情報も」とブレそうになっても、本来の目的に立ち返って制作することができます。
ホワイトペーパーを制作会社に依頼する場合は、制作の目的や背景、予算とスケジュール、納品形式、デザインガイドラインの有無、仕上がりイメージなどの要件をしっかり押さえて進行してくれるため、本来の目的からそれずに制作が進むでしょう。

2.テーマを設定する

ターゲットが決まったら、設定したターゲットの課題、どのような情報を求めているかをリサーチしてテーマを設定します。
重要なことは、自社目線ではなく、あくまでも「ターゲットが何に困っているか」「何を知りたがっているか」にフォーカスして必要な情報やメリット、疑問や不安を解消するようなテーマにします。
その際、普段顧客と接している営業担当から「顧客が抱えている課題」「顧客からよく聞かれること」「競合と何で比較されているのか」などをヒアリングすれば、顧客の知りたがっていることをより掴みやすくなるでしょう。

3.全体構成・イメージを確定する

3-1.情報を整理する

まずは自社でホワイトペーパーに載せたい情報、資料を精査、整理します。参考にしている他社のホワイトペーパーやデザインイメージなどもあれば用意します。
制作会社に外注する場合、自社で決定した制作の目的やペルソナ、ゴールを共有して進めることをおすすめします。

3-2.骨子(台割)をつくる

ホワイトペーパーの全体像、ストーリーを確認します。「ターゲットが知りたいこと」と「自社が伝えたいこと」の接点を意識して必要な要素を箇条書きなどで書きだします。
パワーポイントであれば各スライドのタイトルと伝えたいメッセージを作成するイメージです。そうすることでホワイトペーパーの全体像が把握できます。

3-3.構成案をつくる

ホワイトペーパーに盛り込む要素が決まったら、要素の分類、関連付けを行い、パワーポイントの1スライドごとにあてはめていきます。
ターゲットが求める「課題」「解決策」「メリット」は入っているか、制作の目的に沿っているかを意識しながら最適な情報構成を作成します。
また、1スライドごとの情報構成を作成するとき、挿入したいグラフや図解のイメージのスペースを確保しておきましょう。このときのグラフや図解はイメージで構いません。
構成案の終盤に自社製品やサービスの訴求、導入実績、会社情報をいれます。自社製品やサービスを課題解決の1つとして選択してもらえるよう、端的にすっきりまとめます。
巻末には、問い合わせ先(電話、メールアドレス)、問い合わせフォームやサービスページへの導線などを用意して、次のアクションにつながるようにしましょう。

このようにして必要な内容をスライドに落とし込んでいきますが、ホワイトペーパーの読み手は細かいところまで全部読んでくれるわけではありません。
・本当に全部必要か
・スペースを埋めるために無理して情報を追加していないか
など引き算の視点を持ち、読みやすいボリュームを意識しましょう。

構成案を作成するとページ数の想定ができます。
予算が限られているという場合、必要な情報や資料を提供したうえで、予算内で収まるよう構成案を制作するところから制作会社に依頼することも可能です。

※エコンテにご依頼されるお客様の場合、内容にもよりますが、ボリュームは10~20ページ前後となるケースが多いです。

3-4.デザインの方向性を決める

本デザインに入る前に、フォーマットデザインを作成します。デザインガイドライン等があれば準拠します。外注するのであればこの段階までに制作会社に共有しておくことが必要です。
ホワイトペーパーの印象が決まる表紙、本文数ページ分のフォーマットデザインを作成し、企業イメージ、業界イメージ、サービスイメージにふさわしいか、認識に齟齬(そご)がないかイメージの共有をします。

3-5.グラフや図解など視覚化する内容とイメージを決める

図解には、少ないスペースでも多くの情報が伝えられ、内容を分かりやすくするというメリットがあります。例えば、概念やサービスのしくみは図解にすることで要素同士の関連、全体像を素早く伝えることができます。
メリットの多い視覚化ですが、いざページ内に落とし込んでみると、グラフや図解のテイストが揃っておらず、見た目が冴えないホワイトペーパーになってしまうということがあります。
また、見た目の問題だけでなく、 図解などの作り直しは工数増、費用増にもつながりますのでデザイン前に関係者でイメージのすり合わせをしておくとよいでしょう。

4.原稿やデザインの制作に入る

4-1.ライティング

構成案のスライドに沿って、自社の表記ルールにのっとって原稿を作成します。
自社の表記ルールにのっとって作成しますが、漢字にするか、ひらがなにするか、送り仮名はどうするかなど特に定まっていないという場合は、資料内での表記のゆれがないよう、日本語の用字用語集に準じて読みやすい文章を作成します。

テキストは、読者の視覚的な読みやすさも考慮して、1ページあたりの分量が多くなりすぎないようにします。長文の場合は箇条書きにしたり、情報を図解化したりして、読者がテキスト直感的にわかる工夫をします。
また、専門用語や自社だけで通じる言葉の多いホワイトペーパーは理解しづらく、読んでもらえなくなってしまいます。内容をかみ砕いて、わかりやすい言葉を選ぶようにしましょう。

4-2.デザイン

原稿がまとまったら、フォーマットデザインに落とし込みます。
ホワイトペーパーは限られた紙面に情報を盛り込むため、テキストでの説明が多くなりがちです。レイアウトの工夫はもちろん、テキスト以外の効果的な表現を考えましょう。
オリジナルのイラストやデータを視覚的に分かりやすくしたり、インフォグラフィックを活用したりします。メインカラーをコーポレートカラーにするとブランドとしての統一感が出て、自社のイメージを浸透させていくことにも繋がります。

4-3.CTAを適切な位置に設置

できあがったホワイトペーパーを自社のウェブサイトに掲載し、訪れたユーザーに「ダウンロード」してもらうためのボタンやテキストなどを設置します。

以上、ホワイトペーパー制作の工程を解説しました。
ホワイトペーパー制作を情報構成から外注する場合、制作期間はおよそ1.5か月から2か月が目安です。意外に制作期間がかかるなと思われたかもしれませんが、活用できるデータの分析や可視化、わかりづらい仕組みの図解化やインフォグラフィック制作なども含めると上記の期間を確保しておくと安心です。

短納期で制作したいという場合は、情報構成や確定原稿を社内で準備し、デザインのみ依頼するという方法もあります。

魅力的な ホワイトペーパーを制作するポイント

有益な情報を載せ、「読んでみたい」と思わせるタイトル

一般的に、ホワイトペーパーはウェブサイトからPDFダウンロードされるしくみになっています。そのためターゲットがダウンロードしたくなるような表紙デザイン、一見して「何の資料か」「読んでみたい」と思わせる簡潔で伝わるタイトルの工夫が必要です。タイトルを入れる表紙には企業ロゴも追加します。

株式会社マネーフォワード様制作事例
商品・サービスの押し売り、自社の売り込みになるような書き方をしない

繰り返しになりますが、顧客は課題を解決するための「情報」を探しているのであって、商品やサービスを探しているわけではありません。
商談や受注につながるホワイトペーパーを作成するポイントは、顧客のニーズや課題を掴み、その課題を認識してもらい商品やサービスの提案へとつなげることができるかということです。
広告や売り込みのイメージを抱かせてしまうと、せっかくダウンロードしてくれたリード顧客にマイナスイメージを与えてしまう可能性があります。

視覚的にわかりやすく表現する

文字だらけのホワイトペーパーでは情報が伝わりづらいため、以下を積極的に活用し、直感的に伝わりやすい工夫を盛り込むと良いでしょう。

・表組
・図解
・アイコンやイラスト
・データビジュアライゼーションやインフォグラフィック(データや情報の視覚化)

特にデータや統計情報はデータビジュアライゼーションしたり、インフォグラフィックで表現したりすることで、顧客が抱えている課題や業界の動向などの理解がしやすくなります。

根拠となる数字やデータを扱う

根拠のないデータでは信頼を得ることはできません。
自社データがない場合、「引用」「出典」など外部からの情報を用います。引用にあたっては政府などの公的機関が出しているデータなど信頼できる引用元の情報を使用しましょう。
引用する際は引用部分を「 」カギ括弧でくくる、文字を斜体にするなど、引用だとわかるよう区別し、引用元(情報源、ソース)」を明示する必要があります。

専門性の高いテーマでは、監修を依頼する

特に専門性の高いテーマについては、その分野の知識が深い専門家に監修や取材を依頼し、内容の信頼性を確保することで自社のブランディングにも寄与することができます。

ホワイトペーパーの制作は内製する?外注する?

ホワイトペーパー制作のステップやコツをお伝えしました。いざホワイトペーパーを制作するとなると、内製するか外注するか悩むことも多いでしょう。

リソースがあるか

内製の場合、内部のリソースを使って制作するため、コストは低く抑えられます。「社内に作成できそうな人がいない」「リソースがないので制作に手が回らない」という場合は制作会社を比較して選定します。

予算があるか

図解やインフォグラフィックなどを活用したホワイトペーパーを外注する際の費用は制作依頼先や内容によって変動します。また希望納期などによっても異なります。
見栄えの良い資料にはしたいが、コストを抑えたいという場合には、制作ステップの構成案の作成や原稿作成までは自社で用意し、デザイン制作のみ外注すれば納期的にも予算的にもコンパクトにすることが可能です。

あまりリソースや予算をかけられない場合はすでにある資料をリニューアルしたり、テンプレートを活用したりするという選択も考えます。
目的と予算に応じて依頼先を選定するようにしましょう。

ノウハウがあるか

受注や商談化につながるホワイトペーパーを作るうえで、制作会社に依頼するメリットを考えてみましょう。
見込み客が必要だと思う「情報」の整理、ニーズに合った効果的な表現テクニックが豊富で、見栄えのよい、かつマーケティング効果が高いホワイトペーパーが完成するということです。
その他のメリットとしては、自社では当たり前だと思っていたノウハウや情報などの魅力をヒアリングから引き出し、コンテンツ化するノウハウを持っていることです。
外注先を検討する際は、常に第三者目線で伴走してくれるかどうかもチェックしましょう。

成果の出るホワイトペーパーを求めるなら外注を選択肢に

ホワイトペーパー制作の注意点でも述べたように、自社で制作を行うと、自社のサービスが整理しきれなかったり、ユーザー視点が抜け落ちてしまったりする場合があります。
企画、構成作成などから制作会社に任せたほうがクオリティ、マーケティング効果も高いホワイトペーパーが制作できるでしょう。

またホワイトペーパー制作後のサイト集客やダウンロード状況の分析なども欠かせません。マーケティング施策も相談したい場合は、コンテンツマーケティング支援を行っている制作会社への依頼を検討しましょう。

ホワイトペーパーのサンプル

課題解決、ノウハウなどのお役立ち情報
株式会社マネーフォワード様制作事例

MoneyForward様が提供している「MoneyForwardクラウド 人事管理」を紹介するダウンロード資料。人事担当者が抱える入社処理手続きの課題をピックアップしています。MoneyForwardクラウド 人事管理だったらどのように解決してくれるのかをイラストや図版を使って視覚的に表現することで、ターゲットに訴求しやすくなります。

サービスや製品の導入事例集
株式会社ヌーラボ様制作事例

Webサイトに掲載されていた記事形式の「Backlog」導入事例を1冊にまとめた資料。見込顧客が知りたい情報をストレスなく理解できることにポイントを置き、文章を読み込まなくてもビフォーアフターが分かるようなレイアウトをご提案。セールス担当者様の商談でも活用しやすい資料となっています。

自社商品の基本紹介と導入までの入門ガイド
株式会社ラクス様 制作事例

ラクス様の「楽楽販売」を導入された企業向けに、スムーズに運用を始めてもらうための導入ガイドブックを制作しました。実際の現場で関わる担当者をキャラクター化して、それぞれがどのような役割を担い、導入を進めていくのか解説。導入ステップを全ページにINDEX(ツメ扱い)として挿入することにより、ガイドブックとしての実用性を高めています。

ホワイトペーパーの作り方に困ったらエコンテにご相談ください

金融、SaaS系、製造業など主にBtoB領域でのマーケティング課題の整理から適切な導線、企画の提案、効果測定まで一気通貫でコンテンツ制作を行っています。
ホワイトペーパー制作においては、業界・競合調査や市況などをふまえた情報構成、フラットな視点を忘れず、届けたいターゲットに的確に情報が届くような表現とデザインのご提案をいたします。
「作りたいテーマはあるが、見せ方がわからない」「既存の資料をリニューアルして成果につなげたい」などホワイトペーパーに関するお悩みはぜひお気軽にご相談ください。

Rumi Musashi
インハウスマーケティング、広報などの職種を経験した後、2014年エコンテ設立時から在籍。プロジェクトマネージャーとして、WEB・LP、ホワイトペーパー、インフォグラフィック、リサーチコンテンツなどの制作に幅広く携わり、編集やWebディレクションなどの専門性の高いメンバーたちと日々「わかりやすさ」を追求しながらコンテンツ制作を推進しています。

Author

Rumi Musashi
インハウスマーケティング、広報などの職種を経験した後、2014年エコンテ設立時から在籍。プロジェクトマネージャーとして、W...

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