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ホワイトペーパーは、自社の商品・サービスに興味関心を持った見込み顧客に対して理解を促し、コンバージョン(購入・導入)への確度を高める効果が期待されるアイテムです。しかし、訴求したい顧客ターゲット層によって、ホワイトペーパーの内容も変わってきます。

そこで本記事では、BtoBマーケティングにおいて、150冊以上のホワイトペーパー制作実績を持つ株式会社エコンテの制作ディレクターが、ホワイトペーパーにどんな種類があるのか、そのサンプルを実際の事例から7つのカテゴリに分類してご紹介いたします。

成果につながるホワイトペーパーとは?制作のポイントやメリットをわかりやすく解説

ホワイトペーパーとは

ホワイトペーパー(white paper)とは、最近では主にBtoBのマーケティング領域で、その施策の1つとして用いられる資料のことを指します。企業のWebサイトやランディングページに個人情報を入力し、無料ダウンロードできる「お役立ち資料」の総称と考えるとよいでしょう。

ホワイトペーパーを提供する最大の目的は、読んでもらうことで見込み顧客(リード)の獲得につなげたり、見込み顧客に対して商品・サービスの理解度を高めるナーチャリング(顧客育成)をしたりすることです。ここでいう「顧客」とは、購入・導入に至るまでの「潜在層」「準顕在層」「顕在層」のいずれをも指します。

顧客向けの資料、というと真っ先に商品・サービス紹介資料を思い浮かべることでしょう。それ以外にも、リードナーチャリングを目的とした、課題解決、ノウハウ・基礎知識、事例紹介を提供するものなども、ホワイトペーパーとされます。

いずれの種類のホワイトペーパーでも、テキストだけでなく、イラストや写真、表やグラフなどを使い、視覚的な表現も組み合わせることで、読み手に情報をわかりやすく伝える工夫が大切となります。

ホワイトペーパーの種類と選び方

ホワイトペーパーはテーマによっていくつかのパターンに分類できます。それらのコンテンツ例や特徴を簡単に表にまとめました。詳しい解説は後述する「【種類別】ホワイトペーパーの事例7選」をご覧ください。

訴求したい商品・サービスに対するターゲット層の分類は、以下の通りです。ちなみに、「見込み顧客」とは「準顕在層+顕在層」と考えてください。

・潜在層:商品・サービスのことを知らない、興味がない。ニーズの有無は不明。

・準顕在層:商品・サービスについて多少知っている、知りたいと思っている。ニーズがある。

・顕在層:商品・サービスについて十分知っており、他社と比較検討などしている。ニーズがある。

・既存顧客:商品・サービスを購入・導入済みである。

ホワイトペーパーの種類 ターゲット層 コンテンツ例 特徴や効果
課題解決型 ☐潜在層
☑準顕在層
☑顕在層
・課題に対する解決策(訴求したい商品・サービス)の提示と解説
・課題解決につながる有益なTips 、ノウハウ
・見込み顧客に具体的なイメージを描かせることができる
・有益な情報を与えることで、助けになってくれそうなイメージを持たせられる
ノウハウ・基礎知識型 ☑潜在層
☑準顕在層
☐顕在層
・ 商品・サービスに関するノウハウや基礎知識
・商品・サービスに関する主要な(または専門性の高い)キーワードの解説
・簡略化した調査レポート
・BtoC向け商品・サービスでも利用できる
・見込み顧客の知識欲を高め、同時に商品
・サービスを深く知ってもらうためのきっかけとなる。
事例紹介型 ☐潜在層
☑準顕在層
☑顕在層
・自社商品
・サービスで課題解決した顧客事例
・利用前の課題、利用の決め手、利用後の成果
・顧客インタビューなど、生の声が聞ける
・見込み顧客に具体的なイメージを描かせることができる
調査レポート型 ☑潜在層
☑準顕在層
☐顕在層
・業界トレンド調査
・顧客属性の統計情報
・顧客アンケート調査結果
・市場課題に関する調査資料
・独自性、信頼性の高い情報を顧客に提供できる
セミナー・イベントレポート型 ☑潜在層
☑準顕在層
☐顕在層
・自社の商品
・サービスに関するセミナー、イベントのレポート
・自社が参加・出展したセミナー、イベントのレポート
・臨場感あふれるレポートにより、あたかも参加したかのようなイメージを持たせられる。
・次回の参加を促すことができる。
テンプレート・チェックリスト ☐潜在層
☐準顕在層
☑顕在層
※既存顧客へのご案内も有効
・顧客の現状を判断する簡易的な判断資料
・商品・サービスを導入するにあたっての簡易的なチェック
・入力欄の内容を変えればそのまま活用できるひな形
・入力、集計することで、顧客の状態やどんな商品
・サービスが適しているのかを把握できる。
・便利に使える資料を提示することで、企業に対する親近感を持ってもらう。
サービス比較・紹介型 (比較型)
☑潜在層
☑準顕在層
☐顕在層
(紹介型)
☑潜在層
☑準顕在層
☑顕在層
(比較型)
・商品・サービスの新機能の比較
・オプション、サポート内容の比較
・商品・サービスプランの一覧
・競合他社との機能・価格比較
(紹介型)
・自社商品・サービスの内容を網羅的に説明する資料
・会社紹介
(比較型)
・商品・サービスの特徴、差別化ポイントを明確に説明する。
・競合する商品・サービスに対する優位性を提示する。
・旧型の商品・サービスを使っている人に買い替えを促す。
(紹介型)
・商品・サービスの全体像を伝えるための汎用的な資料
・会社紹介と合わせ、商品・サービス、企業を包括的に扱う

【種類別】ホワイトペーパーの事例7選

では、より具体的にホワイトペーパーの種類とサンプル・事例をご紹介していきます。制作する上での注意点もしっかり目を通してください。

ホワイトペーパーの構成作成の方法とは?成果を上げるためのポイントを解説

課題解決型

「顧客が持っている課題」に対し、効果的な「解決策」を詳細に提示する資料が、課題解決型のホワイトペーパーです。解決策に関連する商品・サービスを購入・導入したことで得られる「結果・効果」に焦点を絞ってまとめていきます。見込み顧客が抱えている課題や求めている情報にひもづけて自社の商品・サービスを紹介することで、「この課題は自社が抱えているものと似ている」「こんな解決策があったのか」などと認識し、自社にどの商品・サービスが適しているのかをイメージしやすくします。

構成には「こうすればうまくいく」「この機能でこんな課題が解決する」といったTips・ノウハウも含まれることが多く、末尾に事例紹介を入れることも可能です。

<課題解決型 基本の構成案>

1.表紙
2.はじめに
(もしくは資料の目的)
3.目次
4.本題
問題提起(自社製品・サービスが解決できることに対する問題提起)
原因
解決のポイント
解決の流れ
解決に有効な一般的なソリューション
5.商品・サービスの紹介(行動喚起・CTAボタン)
6.問い合わせ先・会社概要

<制作時の注意点>

顧客が置かれている状況、抱えている課題は多種多様です。そのため、「課題の具体性をどこまで絞るか」というバランス感覚が重要です。設定した課題が限定的すぎると、読者が抱いている課題認識とマッチせず「自分たちには関係がない事柄だ」と思われてしまう可能性が高まります。
とはいえ、課題が抽象的すぎると、課題の具体的なイメージが作りづらくなってしまいます。
例えばフローチャートを使ってタイプ別に分類し、それぞれ解決策を紹介するような手法・見せ方も考えられます。また、現場スタッフと連携して課題・解決策を考えていくと、それを通して、社内の考えを共通化していけます。

以下はエコンテが制作した「課題解決型」ホワイトペーパーのサンプル・事例です。

入社処理って実はもっとラクにできた!(株式会社マネーフォワード)

<本ホワイトペーパーの特徴・構成>

MoneyForward様が提供している「MoneyForwardクラウド 人事管理」を紹介するダウンロード資料を制作しました。人事担当者が抱える入社処理手続きの課題をピックアップ。MoneyForwardクラウド 人事管理だったらどのように解決してくれるのかをイラストや図版を使って視覚的に表現することで、ターゲットに訴求しやすくなります。

ノウハウ・基礎知識型

ノウハウ・基礎知識型のホワイトペーパーは、見込み顧客が知らない情報や知識を提供する目的で制作されます。主に初心者向けのコンテンツで、ユーザーにとって最もやさしい資料になります。サービス・製品を使う前に知っておくべき内容の紹介となるため、検討層として一番遠い潜在層へのアプローチに最適で、見込み客を幅広く獲得したい時に有効です。

内容には、訴求したい商品・サービスに関する基礎知識、重要なキーワードの解説、業界のトレンド、正しい課題認識を促す研究結果などを、専門用語や表現を極力使わずに説明します。見込み顧客の購入判断を手助けする正しい知識を伝えることで、見込み顧客からの信用を勝ち取る効果も期待できます。自社の商品・サービスについては、記事末尾のみに掲載するようにしましょう。

ある程度知識を備えている見込み顧客をターゲットに、法令の施行や規制内容の改定など、専門知識を持っていても難解な内容を説明する資料もノウハウ・基礎知識型に含みます。

<ノウハウ・基礎知識型 基本の構成案>

1.表紙
2.はじめに
(もしくは資料の目的)
3.目次
4.本題
テーマの基本説明
仕組みや特徴
類似テーマとの違い(比較表)
背景や歴史
メリットとデメリット
活用例や成果
5.商品・サービスの紹介(行動喚起・CTAボタン)
6.問い合わせ先・会社概要

<制作時の注意点>

どのホワイトペーパー制作でも大事ですが、特にノウハウ・基礎知識型のホワイトペーパーでは「ターゲットのリテラシーの見極め」が重要です。
ノウハウを取得し基礎知識を深めてもらうことが目的になりますが、「読者がどんなトピックに対して知識取得の達成感を得たか」「それが今後自社の訴求したい商品・サービスにどのようにつながるか」という筋立てが大切です。これを見誤ると、読者が知っている事柄ばかりを並べてしまって読後感がよくならなかったり、逆に難解すぎてついていけなくなったりしてしまいます。
届けたいターゲットが持つリテラシーの「少し先」に届けるイメージで制作しましょう。

以下はノウハウ・基礎知識型のホワイトペーパーのサンプル・事例です。

BOMホワイトペーパー(株式会社大塚商会)

<本ホワイトペーパーの特徴・構成>

大塚商会様が公開している「BOM(部品表)」についての記事を1つのガイド資料としてまとめなおしました。テキストだけだとわかりづらいテーマを扱う場合、ポイントを絞った解説と図解を活用するのが効果的です。また、すでにある記事をダウンロード可能なガイド資料にまとめることで、見込み客の獲得利用に貢献できます。

事例紹介型

事例紹介型のホワイトペーパーは、実際に商品・サービスを購入・導入し、課題を解決したお客様の「生の声」をまとめた資料です。多くの場合、お客様にインタビューを実施し、写真撮影も行って作成します。最近では、インタビュー動画をホワイトペーパーに組み込むパターンも増えています。

また、すでに自社商品・サービスを利用した顧客からの情報を持っている場合は、その情報を活用して制作することが可能なため、とても作りやすいホワイトペーパーといえます。

構成としては、訴求したい商品・サービスの購入・導入にあたっての課題と対応策、結果を時系列で並べていきます。具体的な項目は、「どんな課題を持っていたか」「購入・導入にどんな条件があったか」「なぜこの商品・サービスを選んだか、競合他社との差別化ポイントはどこか」「効果はどうだったか、どんな成果が得られたか」「今後はどうしたいか」などになります。これらを通して、メリット・デメリットをわかりやすく伝えていきましょう。

自社商品・サービスの具体的な案件について深く掘り下げることでより深い理解へつなげられ、自社の課題に近い成功事例に目を通すことで、見込み顧客に具体的なイメージを描かせることができます。また、企業や担当者の好ましいイメージを同時に記述して、企業ブランディングに役立てることも可能です。

<事例紹介型 基本の構成案>

1.表紙
2.はじめに
(もしくは資料の目的)
3.目次
4.本題
導入事例×数社
(導入経緯・課題 導入後にどのように解決されたか 今後の展望)
5.商品・サービスの紹介(行動喚起・CTAボタン)
6.問い合わせ先・会社概要

<制作時の注意点>

事例紹介型のホワイトペーパーで品質を左右するのが、写真や動画の品質です。「読者に好印象を抱かせるすてきな表情が撮れているか」「インタビュアーとの会話がスムーズか」「聞き取りにくい箇所はないか」など、被写体であるお客様の写真や動画が全体の印象を左右します。
また、実際に使用しているユーザーだからこそわかる事柄があり、それは読者が知りたいことでもあります。第三者目線を持つことが、わかりやすい編集につながります。抽象的な感想ではなく、具体的かつ定量的に伝えることを心がけてインタビューを進行させましょう。

以下は事例紹介型ホワイトペーパーのサンプル・事例です。

Backlog 導入事例集 (株式会社ヌーラボ)

本ホワイトペーパーの特徴・構成>

Webサイトに掲載されていた記事形式の「Backlog」導入事例を1冊にまとめた資料。見込み顧客が知りたい情報をストレスなく理解できることにポイントを置き、文章を読み込まなくてもビフォーアフターがわかるようなレイアウトをご提案。セールス担当者様の商談でも活用しやすい資料となっています。

調査レポート型

調査レポート型のホワイトペーパーは、業界の動向や統計などを独自にまとめた調査レポートになります。アンケート調査などもここに含まれます。

マーケティングで調査したデータから、ユーザーが欲しい情報をピックアップして制作します。

ダイレクトに自社商品・サービスの魅力を売り込むコンテンツではありませんが、業界に属しているからこそ入手できる最新情報やトレンドなどを独自の視点でまとめることで、自社の専門性や知見の高さを示すことができます。それにより、ユーザーに自社製品・サービスの検討を促すことが可能になります。

また、「カオスマップ」「ポジションマップ」のように市場を俯瞰して一覧化し、訴求したい商品・サービスがどこに位置づけられるかを把握できる資料も、競合他社の商品・サービスを購入・導入しブランドチェンジを検討している見込み顧客に対して有用です。

<調査・レポート型 基本の構成案>

1.表紙
2.はじめに
(もしくは資料の目的)
3.目次
4.本題
調査目的と背景
調査概要
調査結果サマリー
調査結果の詳細
考察とまとめ
5.商品・サービスの紹介(行動喚起・CTAボタン)
6.問い合わせ先・会社概要

<制作時の注意点>

調査レポート型のホワイトペーパーの品質は、調査データの本質性とデータの解釈力に左右されます。調査データは「どのような主旨のレポートにしたいのか」「収集したデータからどのような事実(ファクト)が読み取れるのか」という、目的とデータ収集の設計がポイントになります。
データ収集の仕方を誤ると、期待していた事実と全く異なる結論が出てしまうことがあります。だからといって、都合の悪いデータを排除するなど恣意的なデータの解釈をすると、今度はホワイトペーパー自体の内容の信ぴょう性が損なわれてしまいます。企業の信頼性を保つために、事実に基づいてまとめられているか、客観性が保たれているかを慎重にチェックしましょう。

以下は調査・レポート型ホワイトペーパーのサンプル・事例です。

HRMOS採用管理導入が戦略人事を可能にする(株式会社ビズリーチ)

<本ホワイトペーパーの特徴・構成>

アンケート結果の数値をわかりやすく可視化した、キャッチーな印象を与えるデザインのホワイトペーパー。インフォグラフィック要素のあるグラフや図版を用い、スタイリッシュで洗練された印象のデザインで、わかりやすく伝えています。

セミナー・イベントレポート型

セミナー・イベントレポート型は、自社が開催したセミナー・イベントの内容を報告するホワイトペーパーで、出展内容のダイジェスト版といえます。セミナー実施後の資産として残すことができるという付加価値もあります。

また、他社が主催するイベント・展示会などに参加した時の内容を報告する場合もあり、コロナ禍を経て多く開催されるようになったオンラインセミナーでの内容をホワイトペーパー化することもあります。商品・サービスに関する知識の取得だけでなく、企業の社風や働くスタッフを知ることができ、親近感を与えられる効果があります。どのようなイベントを対外的に行っているのかを伝えることで、業界内の影響力の高さを示す効果も見込めます。

また、「いきなり商談はハードルが高い」という見込み顧客に対し、最初はセミナー・イベントレポート型のホワイトペーパーの提供、次は実際のセミナー・イベントへの招待、次に商談、と段階的に距離を縮めていく手法もあります。

<セミナー・イベントレポート型 基本の構成案>

1.表紙
2.はじめに
(もしくは資料の目的)
3.目次
4.本題
セミナー概要
登壇者プロフィール
セミナーの要約情報
セミナーのスライド
感想やまとめ
5.商品・サービスの紹介(行動喚起・CTAボタン)
6.問い合わせ先・会社概要

<制作時の注意点>

セミナーやイベントのレポートは、ただどのような内容だったかを伝えるだけでは読者の満足度は高まりません。取材記事・記事広告として仕立てたり、パネルディスカッションの内容を文章で書き起こしたり、ダイジェストをインフォグラフィックで表現したりなど、読者に読み応えを感じさせる工夫を施しましょう。音声や動画といったリッチコンテンツ化して組み込むことも可能です
テンプレート・チェックリスト型

テンプレート型のホワイトペーパーは、日頃の業務でそのまま使用できる書式やチェックリストです。該当する項目に点数をつけたりフローチャートに仕立てたりするタイプがあり、例えば「自社がどのような課題を持っているか」「商品・サービスのどの機能が有益か」などをチェックすることで、読者は大まかな方針を決定できるようになります。

また、比較的ダウンロードされやすいため、商品・サービスには直結しなくても、今後の購入・利用が想定されるリードが獲得できます。また、購入・導入のきっかけとして、見込み顧客が自ら現状を把握し課題を抽出する際にも役立ちます。

<テンプレート・チェックリスト型 基本の構成案>

1.表紙
2.はじめに
(もしくは資料の目的)
3.目次
4.本題テンプレート/チェックリスト・診断結果
5.商品・サービスの紹介(行動喚起・CTAボタン)
6.問い合わせ先・会社概要

<制作時の注意点>

チェックリストやテンプレート型のホワイトペーパーは、実務ですぐに活用できる点に価値があります。そのため、常にメンテナンスを実施し、最新の情報を提供するよう心がけましょう。サービスの仕様変更によってチェックリストやフローチャートが使いづらくなっていたり、使えなくなっていたりすると、「更新せずに放置している」という印象を与え、見込み顧客の不満につながってしまいます。

以下はテンプレート、チェックリスト型ホワイトペーパーのサンプル・事例です。

<本ホワイトペーパーの特徴・構成>

年間約60本のホワイトペーパー制作を担当するエコンテのプロジェクトマネージャー監修による、成果の出るホワイトペーパー作成のためのチェックリストです。ホワイトペーパーを作成したもののなかなか成果が出なかったり、そもそもどのように作るのか悩んでいたりするご担当者様に向けたお助けアイテムとして提供しています。

サービス比較型・サービス紹介型

サービス比較型・サービス紹介型のホワイトペーパーは、商品・サービスを紹介する目的で制作されます。

サービス比較型は、大きく「自社商品を中心に、他社商品を比較する」ものと「客観的な視点で比較する」ものとの2つに分けられ、どちらも機能、価格、サポート内容など、多様な観点から比較を行います。

より具体的には、商品であれば仕様・グレード、機能、大きさ、価格、オプションの有無などが挙げられます。サービスであれば、初期費用と年間の運用費用、サポート体制も比較対象となるでしょう。ただし、比較項目が細かくなりすぎると読みづらくなったり、読むだけで満足してしまって営業活動の妨げになったりする場合もあるので、マニアックな内容にならないように努めましょう。

テキストと表組みだけでなく、表やグラフ、イラストを多用するなど、わかりやすく見せることがポイントです。インフォグラフィックの追加も効果的です。

サービス紹介型は、商品・サービスの概要を網羅的にまとめたホワイトペーパーです。チラシやパンフレットのように配布資料として使える内容になっており、必要があれば社内の決定者に対する共有資料としても活用できます。

サービス紹介型のホワイトペーパーは、自社のWebサイトやキャンペーン用のランディングページなどから取得できるようにするだけでなく、SNSの公式アカウントに投稿したり、セミナーやイベントで投影されたり、紙に印刷して配布されたりすることもあります。汎用性の高いホワイトペーパーといえるでしょう。

<サービス比較型・サービス紹介型 基本の構成案>

1.表紙
2.はじめに
(もしくは資料の目的)
3.目次
4.本題
(サービス比較)
製品・サービスの基本説明
製品・サービスの比較表
各製品・サービスの内容(サービス紹介)
製品・サービスの基本説明
導入企業一覧
製品・サービスの特徴や強み
機能・スペック紹介
費用
導入フロー
ケーススタディ
導入事例・導入インタビュー
5.商品・サービスの紹介(行動喚起・CTAボタン)
※サービス比較のみ
6.問い合わせ先・会社概要

<制作時の注意点>

サービス比較・サービス紹介型のホワイトペーパーは、他の種類のホワイトペーパーより直接的に自社の商品・サービスを紹介することになるため、客観性を忘れないようにすることがポイントです。 サービス比較型は自社商品・サービスの差別化を目的としますが、自社の差別化ポイントは不自然にならない程度に強調しましょう。また、比較対象の評価は、恣意的なものにならないよう客観性を保たなければなりません。 サービス紹介型では、商品・サービスを幅広く網羅すると情報が散漫になってしまいます。まずは読んでほしいターゲット層を設定し、そのターゲットに必要な情報をわかりやすく仕立てることが最善です。そのため、サービス紹介型のホワイトペーパーは、ターゲット層に応じて複数存在することになります。

 以下はサービス紹介型ホワイトペーパーのサンプル・事例です。

MilesGo ダウンロード資料(ソフィコ・サービス・ジャパン株式会社)

自動車リースに特化したERP MilesGo
(ソフィコ・サービス・ジャパン株式会社)

本ホワイトペーパーの特徴・構成>

ソフィコ・サービス・ジャパン社が提供する自動車リースに特化したERPサービス「MilesGo」のサービス資料です。新サービスである「MilesGo」の基本的な機能やサポート内容、導入フローをわかりやすくデザインし、顧客のサービス理解促進、商談創出につながるコンテンツとなっています。

ホワイトペーパーの作成プロセス

最後に、ホワイトペーパーの作り方を説明します。

作成の流れ

作り方のプロセスは以下4ステップです。

ホワイトペーパーの型を選ぶタイミング

ホワイトペーパーの型は「2.テーマを設定する」の段階で決定するのが適切です。ターゲットと目的が明確になった後、どの型が最も効果的にメッセージを伝えられるかを考慮し、テーマに沿った型を選ぶことが重要だからです。例えば、ターゲットが具体的な問題解決を求めている場合は「課題解決型」が適していますし、業界の基礎知識を提供したいなら「ノウハウ・基礎知識型」が向いています。型を決めることで、「3.全体構成・イメージを確定」がスムーズに進められます。

自社の持っている情報を活かすという作り方も

企画を考える際に、自社が持っている資料や実施したセミナーなどの資料を活用して、制作できるパターンを考えるという手法もあります。

例えば、自社がリサーチした調査があれば、「調査レポート型」、セミナーなどを開催していれば「セミナー・イベントレポート型」のホワイトペーパーが制作できます。この場合も、「1.作成の目的、ターゲットを明確にする」、「2.テーマを設定」は欠かせません。その上で「3.全体構成・イメージを確定」、「4.原稿やデザインの制作」につなげてください。

ホワイトペーパーの作り方に関して、以下ページで詳しく解説しています。こちらもぜひあわせてご覧ください。

ホワイトペーパーの作り方とは? 実際の制作手順を専門会社が具体的に解説

まとめ

Webサイトや展示会、セミナーに訪れたターゲット層の購入・導入意欲、商品・サービスへの理解度は異なります。また、BtoBの商品・サービスであれば、ビジネス上の立場、抱えている課題・解決したい事柄、予算や納期などもさまざまです。特に潜在層においては、「この商品・サービスはなんだろう」「その商品・サービスはどのような特徴・強みを持つのか」といった基本的な情報すら持っていません。

ホワイトペーパーは目的に合った設計を入念に行い、設定したターゲット層が欲しているであろう情報を過不足なく提供することが求められます。7種類のうちいずれを作ればいいのかをまず検討して、丁寧に制作しましょう。

ホワイトペーパーのパターン選択で困ったらエコンテにご相談ください

どのようなホワイトペーパーを作成すればよいか迷ったら、コンテンツマーケティングの専業会社であり、豊富なホワイトペーパーの制作経験を持つエコンテにご相談ください。

金融、SaaS系、製造業など、主にBtoB領域でのマーケティング課題の整理から適切な導線、企画の提案、効果測定まで一気通貫でコンテンツ制作を行っています。

制作段階では、ホワイトペーパーの種類の選定、および、情報構成から行うことが可能です。例えば、社内資料をご提供いただければ、業界・競合調査や市況などをふまえたフラットな視点から、ターゲットに適格に情報が届くようなホワイトペーパーをご提案いたします。

そして、これまで培ってきた編集力とデータビジュアライゼーション力で、ご希望に添いながら、わかりやすく伝えられる構成とデザインに仕上げてまいります。

専門性が高い内容についても、適宜ヒアリングさせていただくことで制作が可能で、調査実績もあるため、データの取り扱いも得意としています。

「どのようなテーマで作成すればよいかわからない」「作りたいテーマはあるが、見せ方がわからない」「既存の資料をリニューアルして成果につなげたい」など、ホワイトペーパーに関するお悩みはぜひお気軽にご相談ください。


Rumi Musashi
インハウスマーケティング、広報などの職種を経験した後、2014年エコンテ設立時から在籍。プロジェクトマネージャーとして、WEB・LP、ホワイトペーパー、インフォグラフィック、リサーチコンテンツなどの制作に幅広く携わり、編集やWebディレクションなどの専門性の高いメンバーたちと日々「わかりやすさ」を追求しながらコンテンツ制作を推進しています。

Author

Rumi Musashi
インハウスマーケティング、広報などの職種を経験した後、2014年エコンテ設立時から在籍。プロジェクトマネージャーとして、W...

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