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通常、データはただの数字の羅列でしかありません。興味深い結果なのに、上司やクライアントに見せても「よくわからないと突き返されてしまう」「説得が難しい」という声はよく聞かれます。 効率的にメッセージを伝えるためには、データをうまく整理し、可視化する必要があります。このページでは、データをより効率的に可視化する方法をご紹介したいと思います。

データの可視化の手順

エコンテでは次のような手順でデータを可視化しています。

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では、それぞれの手順を順を追ってご説明していきます。 例えば、次のような調査結果があります。

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一見しただけでは、男女どちらがタバコを吸う人が多いのかも分かりにくい状態です。 このデータから、ユーザーに読み取ってほしいことは、次の2つ。

  • 全体的にタバコを吸わない人のほうが多い
  • 女性よりも男性のほうがタバコを吸う人が多い

この結論から、タバコに関する諸問題を考えるきっかけにしてもらいたいとします。 そのために、次のような手順でデータを可視化していきます。

1.データを取捨選択する

まずは、データを整理して必要なものを取捨選択します。 よくよく考えると、先ほどの2つのことを読み取るために必要なデータは、下記だけです。
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2.適切なグラフを選ぶ

情報はかなり削ぎ落とされましたが、数字だけではまだ分かりにくいので、グラフ化して分かりやすくします。 グラフには、円グラフ、棒グラフ、折れ線グラフなど、さまざまな種類があるので、データに応じて、どれが適切かを判断しましょう。 まずはExcelで棒グラフにしてみます。

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悪くはありませんが、もう少し分かりやすいものはないでしょうか? そこで、次は円グラフにしてみました。

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こちらの方が分かりやすいようです。このデータの場合、「割合の比較」であることが一目で伝わる、円グラフのほうが適していることが判明しました。

3.色やデザインを工夫する

円グラフにしただけでもかなり分かりやすくなりましたが、もっと分かりやすくするためには、色やデザインにもう少し工夫を加える必要があります。 ユーザーに伝えたい項目に基づいて、目立たせるべき要素を強調しましょう。

  • 「全体的にタバコを吸わない人のほうが多い」を伝えるために、「吸う」より「吸わない」を色や文字の大きさを変えて目立たせる
  • 「女性よりも男性のほうがタバコを吸う人が多い」を伝えるために、「男性=青色、女性=赤色」という風に、感覚的に分かりやすい配色にする

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これでだいぶ分かりやすくなりました。しかし、会社のコーポレートサイトやプレスリリースに掲載する場合、Excelのグラフのままでは、ちょっとカッコ悪いですね。そこで、グラフィックデザインソフトを使って、綺麗に整えてみます。

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これで見栄えもよくなりました。
Webサイトにかかわらず、プレスリリースに添付する画像も、社内のデザイナーさんの協力を仰ぎ、綺麗に仕上げることは、プロモーション上大事なことです。

4.直感的にしたり、楽しさを加えたりする

エコンテのインフォグラフィックデザイナーが手を加えると、次のようなグラフィックになります。
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文字を読まなくても、直感的に何の話題か理解できますし、楽しさが加わっています。

まとめ

分かりにくいデータから、読み手に効率的にメッセージを伝えるには、次のようなことが条件になります。

  • データの結論を伝えるために、データが取捨選択されている
  • 比較したいものが最も分かりやすいグラフ表現を使っている
  • 注目させたいところに、順番に目線が誘導されるようなつくりになっている
  • 何の話題か読まずに分かる

データの可視化の積み重ねが「インフォグラフィック」

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インフォグラフィックは、ただイラストをつければ良いというわけではありません。
データの配置やモチーフなど、ひとつひとつを、理解度を高め、最後まで飽きずに、順を追って見てもらえるよう、「見る・追う・気づく・考える」楽しさを考えながら、絶妙なバランスでチューニングしていくと、ポスターのように1枚で完結する完成度の高いインフォグラフィックになります。

ナカユリ
東京生まれ東京育ち。自社運営サイトのデザインをいくつか経験後、2010年よりインフォグラフィックサービスの立ち上げ、100点以上のインフォグラフィック制作に携わる。 インフォグラフィックの企画・情報の編集作業までを担当しています。様々な業界のクライアントにインフォグラフィックの企画提案をしているので、豆知識や統計データの所在には詳しくなりました。サービス立ち上げ当初は日本の事例がほとんど無く試行錯誤でしたが、デザイナーと二人三脚で取り組んでいます。 インフォグラフィックサービスはこちら
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